舞囃子の稽古、絃上3

週末に澤田先生の稽古場で、絃上の舞囃子の稽古をしました。
普段は最後の方で稽古を受けることが多いのですが、今回は所用あり、稽古場に到着して早々に稽古を受け、ドタバタと帰りました。稽古の順番に割り込んでしまった皆様には、申し訳ないですm(__)m

舞囃子は出羽アトからキリの寸法で通して稽古しました。パーツとして、早舞とキリはそれぞれ習っていたので、組み合わせれば舞囃子になります。絃上の舞囃子は、舞うのは早舞とキリしかないのですが、謡がそこそこあり、しかもなかなかロマンがあって面白いのです!

村上天皇の霊が絃上を携えて師長の前に現れ、もろこしより日ノ本に渡された三面の琵琶の行方を語ります。まず経政でおなじみの「青山」は、仁和寺御室の守覚法親王のご相伝の由(ちなみに青山のエピソードは宝生流でしか謡いません!(◎_◎;))、そして我らが村上天皇の愛器「絃上」、もう一つ、かつて嵐を治めるために龍神の贄として海中に沈められ、竜宮城の手に落ちた「獅子丸」の三面の名器です、ちなみに獅子丸のエピソードは下掛では省略されます!(◎_◎;)。
帝は伝え聞く獅子丸の音を聴くために、海中の龍神達に獅子丸の持参を命じます、すると位早まり豪壮な早笛とともに、海底深く竜宮城から八大龍王や、その使いである八大龍馬が召喚され、師長に獅子丸を授けます。師長の弾き鳴らす獅子丸の音はいかにも面白く、八大龍王も弦楽器、管楽器にて合奏し、或いは波の鼓を打つなどして、獅子丸というだけに獅子団乱旋(ししとらでん/獅子丸の「獅子」より「虎」を連想し、掛けたもの)の秘曲を奏し、帝も面白がって舞に興じるのでした(早舞)。獅子には文殊が乗ると聞く、飛行の車は帝が乗って、龍馬に引かせて遥かに上がれば、駿馬に打ち乗る師長も、馬上に琵琶を携えて、都へ急げと鞭を上げては、須磨からの帰京となったとさ。めでたし。

補足すると、自称日本一の琵琶の名手である藤原師長は、もろこしで琵琶の修行留学すべく、須磨の浦にやってきます。ところが須磨の浦で超絶技巧のおじいちゃんに出会い、日本でもまだまだ究めることがあると感銘を受けます。じつはおじいちゃんは村上天皇の霊でして、夜更けとなり、師長の前に霊が現れるところからが舞囃子です。
ちなみに、「八重の汐路を行く船の、という冒頭の次第を考えると、船で須磨にやって来ているはずなのですが、キリから判断する限り須磨からは馬で帰ります!(笑) 乗りつけた船はマイボートではなかったのでしょうか? 馬はどこからやって来たのでしょうか? 携えた琵琶は獅子丸なのでしょうか? 様々な疑問を抱えつつ、稽古の振り返りをするのであった。

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