2020年2月14日 ヤの間1 間の解説は、拍数の議論から始めるのが一般的ですが、敢えて文字数の議論から導入します。本稿では平ノリの本地を前提とします。 まずヤの間から。ヤの間は上の句6文字を処理する場合に用います。 表7.に本間とヤの間を掲げます。 上の句の文字数に着目すると、ヤの間の列では6文字(ろはにほへと)になっているのが分かります。 表.7 地拍子 甲 ヤの間 拍 本間 ヤの間 左手(○●) 右手(△▲) い […] 続きを読む
2020年2月13日 和歌いろいろ3 トリの打ち方を解説していなかったので、紹介いたします。 右手でペシペシ、左手でペシペシの合計4拍です。 第二拍は押さえになります。 打ち方の外観を下に紹介します。下の句のトリの場合は表4.のように文字が対応します。 本地の後半の4拍だけを取り出したイメージです。すると下の句のみを取り出せます。 本地の下の句と文字の対応が同じであることがわかるかと思います。 表5.では「ちりぬるを」を謡ったあと、第 […] 続きを読む
2020年2月5日 和歌いろいろ2 平ノリの登場により、本地12文字を7文字5文字に分ける技術が生じました。 本地8拍を4拍づつに分割し、上の句7文字を4拍で、下の句5文字も4拍で処理する訳ですが、同じ4拍分でも文字数は非対称なのが特徴です。 ここで、4拍で7文字を処理する技術は、簡単にトリに移管できます、トリはもともと4拍分しかないためです。 トリに移管する際は、本地から下の句5文字分の4拍を省いた形になると考えます。つまり上の句 […] 続きを読む
2020年2月4日 大と中のあいだは平 本地8拍の中で何文字謡えるのか?を考えてみます。典型的なノリである大ノリ、中ノリ、平ノリを見てみましょう。 一番簡単なのは大ノリで、これは原則として8文字謡います。鞍馬天狗「抑も武略の〜、が典型です。 実際は句読点や三引き、ハシリの影響で文字数は変わりますが、原則は8文字です。 大ノリは1拍1文字なので、8文字なのは当然と言えば当然です。 次に中ノリを見てみると、これは原則16文字です。田村キリ「 […] 続きを読む
2020年1月31日 和歌いろいろ1 和歌といえば五七五七七ですが、能において平ノリで和歌を詠むには工夫が必要です。 能のリズムは七五調なので、完璧には和歌に対応出来ません。 和歌をよく見ると、五「七五」七七なので、「七五」の部分は本地本間の一句が対応しそうと言うのが分かります。 なのですが、、、そうすると前後に不穏な文字数が残ります。「五」と「七七」です。 実は「五」の処理は簡単で、ヤの間のトリ一つ持ってくるだけです。 ヤの間のトリ […] 続きを読む