間の解説は拍数の議論から始めるのが一般的ですが 敢えて文字数の議論から導入します
本稿では平ノリの本地を前提とします
平ノリ本地の当ヤヲハの間は上の句が2文字の場合の処理に「も」用います
他の間と違い 当ヤヲハは上の句が2文字であると硬直的に捉えない方が良い場合があります
詳細は過去の記事をご覧ください(ゆくゆくは記事を整理します)
表.15に甲形式の本間と当ヤヲハの間を掲げます
上の句の文字数に着目すると 当ヤヲハの間の列では2文字(へと)になっているのが分かります
拍 | 本間 | ヤヲハの間 | 左手(○●) | 右手(△▲) |
い | ||||
1 | │ | △ | ||
ろ | ||||
2 | は | ▲ | ||
に | ○ | |||
3 | | | へ | △ | |
ほ | | | |||
4 | へ | | | ▲ | |
と | と | |||
5 | | | | | 〇 | |
ち | ち | |||
6 | り | り | ● | |
ぬ | ぬ | |||
7 | る | る | 〇 | |
を | を | |||
8 | ○ | ○ | 〇 |
第3拍から謡い出すことを 当ヤヲハの間で謡い出すと言います
引き音の立場から言えば 字句を第3拍から謡い出せるように引き音を調整することを ヤヲハの間まで引くと言います
ヤヲハの間まで引くとは 言い換えると 引き音を第2拍まで引くということです これは表.15を見れば明らかです
当ヤヲハの間では句読点が第2拍半間にあるため 逆算するとその半拍前の第2拍半間まで前句を引くべきことが分かります
(当ヤヲハの間は第3拍から謡い出し→ということは句読点は半拍前の第2拍半間にあるはず→ということは前句は半拍前の第2拍で終わるはず)
当ヤヲハの場合は 上の句2文字と捉えない方が良い場合が「多い」ので 上の句2文字と捉えない場合もおいおい紹介します