本稿では平ノリの本地を前提とします
平ノリにおける当ヤヲハの間の使い方は、前稿までの上の句2文字のパターンもありますが、よく用いられるのは、本地全句を用いて5文字を処理するパターンです
宝生流では、この全句5文字パターンは、次句が半声の間での謡い出しとなるかどうかで、当りが変わります
まずは、字句が半声の間ではない場合の、観世宝生の処理パターンを表.17に掲げます
拍 | 本間 | 宝生 | 観世 | 左手(○●) | 右手(△▲) |
い | |||||
1 | │ | △ | |||
ろ | |||||
2 | は | ▲ | |||
に | ○ | ○ | |||
3 | | | ち | ち | △ | |
ほ | | | | | |||
4 | へ | | | | | ▲ | |
と | り | り | |||
5 | | | ぬ | ぬ | 〇 | |
ち | | | | | |||
6 | り | | | | | ● | |
ぬ | る | | | |||
7 | る | を | る | 〇 | |
を | | | を | |||
8 | ○ | ○ | ○ | 〇 |
処理パターンは、観世宝生でやや異なります
和歌の一句目を読み込むときにこの当りを用いる例が多いです(田村「ただ頼め、羽衣「君が代は)
次回は字句が半声の間となるときのパターンを掲げます