本稿では平ノリの本地を前提とします
平ノリにおける当ヤヲハの間の使い方は、前稿までの上の句2文字のパターンもありますが、よく用いられるのは、本地全句を用いて5文字を処理するパターンです
宝生流の場合、この全句5文字パターンは、字句が半声の間での謡い出しとなるかどうかで、当りが変わりまして、次句が半声の間の場合は、7拍にモチが入ります
今回は、字句が半声の間の場合の、処理パターンを表.18に掲げます
拍 | 本間 | 宝生甲 | 宝生乙 | 左手(○●) | 右手(△▲) |
い | |||||
1 | │ | △ | |||
ろ | |||||
2 | は | ▲ | |||
に | ○ | ○ | |||
3 | | | ち | ち | △ | |
ほ | | | | | |||
4 | へ | | | | | ▲ | |
と | り | り | |||
5 | | | ぬ | ぬ | 〇 | |
ち | | | | | |||
6 | り | | | | | ● | |
ぬ | る | | | |||
7 | る | | | る | 〇 | |
を | を | を | |||
8 | ○ | い(半声) | い(半声) | 〇 |
地拍子乙は、半声の間でないときの観世地拍子と一致します
和歌の一句目を読み込むときにこの当りを用いる例が多いです(杜若「いとどしく、)
当ヤヲハの5文字パターンは前回のパターンと今回のパターンが支配的で、他にも田村「土も木も、などの当り方がありますが、例が少ないので例示は控えておきます(余裕があったらゆくゆく掲載するかもしれません)