仕舞の稽古、歌占1

先週末に謡と仕舞の稽古を受けました。
先日習った鵜之段は、澤風会で他の会員が舞われるとの由。別の曲を習うことにしました。かな~り遠い曲ですが、
歌占クセのお許しを頂きました。

歌占のシテは、年の若い伊勢の神官なのですが、諸国を旅行中、神を疎かにした咎で神罰を受けて亡くなりますが、、、なんと三日後に蘇生します、蘇生するまでの三日の間に種々の地獄を巡るという壮絶な体験をしたために髪も真っ白に変わってしまいます。シテは白髪とはいえ若者ですから、流儀によっては若手が勤める場合は直面にし、年配の方が勤められる際には若男などの面を用いる、ということになっているようです。ところが宝生流では逆に、若手は面を用いて、ベテランが直面で勤めることが多いようです。演出の問題ではなく、技量の問題として、直面は難しいという理由に拠るのだと思います。

また、この曲は全体的に詞章が難解なのですが、クセ舞の部分は比較的分かり易い内容となっています。どうやら、もともとは百萬のクセだったそうですが、後年、歌占に転用されたようです。本来の百萬では仏前への奉納の舞として敢えて無常観を主題にしたのでしょうが、歌占の曲中では、シテの実体験としての地獄巡りになっています。したがって、歌占クセは詞章もそうですが、型も真に迫っています。クセに出てくる地獄は、斬鎚地獄、剣樹地獄、石割地獄、火盆地獄、焦熱地獄、大焦熱地獄、紅蓮地獄、大紅蓮地獄など様々です、これらの苦しみを種々の型で演じます。

特殊な型ばかりですが、実は稽古十年目にして今回初めて、七ツ拍子のある曲を習いました。そこまでレアな型ではないので(主観)、巡り会わせの問題でしょうか。主要な型(主観)で言いますと、月の扇も実は習ったことがないので、いつかやってみたいですね。

その他、連吟曲として絵馬を習いました。舞台のために一度は地を覚えたことがあるものの、しっかり習うのは初めてです。絵馬は後場の地が謡い難いのですが、前場は前場で地の内容が不可解です。まず初同で「馬」の話をしておいて、続くクセでは「絵」の話をするのですが、合わせて「絵馬」ということでしょうか。後段にロンギが設置されていないため、種明かし?はされません。。。今回はクセ前までを習いました。次回、クセ~キリの予定です。

NO IMAGE