仕舞の稽古、鵜之段1

先日の自演会の二次会のあと、某師の旗振りで有志が集まり、祇園界隈を練り歩きました、四次会を解散したのは午前3時頃でした。

翌日はかなり草臥れていたものの、澤風会の稽古あり、鵜之段を習いました。6月18日(土)五雲会にて澤田先生が鵜飼を舞われますから、その予習として。

ところで鵜飼というと、岐阜県長良川の鵜飼の様に、鵜舟を川面に並べる漁が有名です。

しかし能の鵜飼の舞台である山梨県石和川では、徒歩鵜といって鵜匠が浅い川にざぶざぶと這入って、1~2羽の鵜を繰る漁を行うのです。長良川は水深数メートルある深い川ですから船が必要ですが、石和川は水深数十センチ程度なので、船は必要ないのだと想像します。
実際に鵜之段を習ってみると、松明を振り立て乍、鮎を追い回す型や、川底を見込む型(川が浅くないと川底は見えない)など、やはり徒歩鵜を意識した型であることを再確認しました。

ところが不思議なことに、能の鵜飼では、前シテは鵜舟に乗って登場するのです。徒歩鵜には鵜舟を用いないはずです。。。?

能ではワキの道行が済むと、間狂言が、夜な夜な川から怪しい物体が現れるから気を付けるように、という旨の説明をします。これは鵺のアイでも用いられる手法です。そして鵺でもやはり、前シテは船に乗った態で登場します。このような類型に当てはめて、鵜飼でも船で登場することにしたのか?ところが、鵺はおそらく世阿弥晩年の作であり、鵜飼の原型は世阿弥以前の古作ですから、鵺のパターンを準用したとは考えにくいような。。。

もしかしたら大漁エリアまでは船で移動して、そこから下りて徒歩鵜をしているのかも知れません。

能を観て、色々と考えてみようと思います。

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