紹介、能の囃子事

横道萬里雄、他 1990 『能の囃子事』 音楽之友社

最近気づきましたが、心にゆとりがあるときと、忙しすぎるときしかブログ更新できないみたいです。現在は後者。。。(現実逃避?笑)

久々におすすめの書籍を紹介します。能には拘っていないのですが、馴染んでいる本は能関係が多いですね。

横道萬里雄氏の著作は楽理論の体系化に関するものが多いのですが、著作のバリエーションも豊富で、『能楽囃子体系』のような囃子音源や、『横道萬里雄の能楽講義ノート』のような大学の講義録など様々あります。

個人的に一番おすすめなのは『能劇逍遥』という論文集・エッセイなのですが、知人に貸したままなので、返ってきたら別に紹介致します。

今回紹介するのは、『能の囃子事』という本で、タイトルそのままに、能のあらゆる音楽を解析的に網羅した本です。色々斬新ですが、まずは位取りの分類が異様です。速度、強さ、気分で表現されているのですが、、、

速度:1きわめて緩、2やや緩、3中庸、4やや急、5きわめて急

強さ:1きわめて柔、2やや柔、3中庸、4やや剛、5きわめて剛

といった具合で、例えば神楽は速度2〜3、直リあとは4、強さ3〜4、気分のびやかに、直リ後は軽やかに。。

また、曲を基本種、亜種(モン○ンっぽい)、変種、と分類しているのは如何にも横道流です。

他の特徴としては、型を伴う囃子事に関しては、シテ方ごとに型付が載っているのが面白いです。中之舞などはもちろん、神楽や楽、獅子や乱拍子も型が載っています。次第のようなで囃子も型ツケ があり、しかも一人の次第とツレを伴うときなどバリエーションも網羅されているという念の入れよう。。さすがです。

本書は情報量が非常に多いのですが、やや無造作に詰め込んでいる感もあります(却って迸る情熱を感じます)。

所感としては、wikipediaが好きな方には、非常におすすめできると思います。多分絶版ですが、中古で5千円前後でしょうか。

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