令和元年澤風会第十四回大会のメモ5、羽衣

今回の澤風会のメインであった能羽衣は澤風会員の嘱託披露でした!いつも端正な舞を舞われる方で、羽衣は非常に品のある舞台でした。ワキの一声から始まり、ほぼ省略なしでしたので、シテは体力・気力勝負だったと思います。

演能としては、呼びかけの位もばっちりで見所の集中力がぐっと高まりました。初同にて落胆するシテのシヲリも実に儚げで、下ノ詠~二同は省略したものの、却って快い緊張感を保ったまま、続くワキとの問答へ接続することができました。「疑いは人間にあり 天に偽りなきものを、など淑やかな中に芯の強さをも感じ、好印象でした。物着あってクリサシクセとなり、クセは「乙女の姿暫し留まりて、のヒラキや、クセ打切の「長閑なる浦の有様、の風情などはっとさせられるシーンがありました。「南無帰命月天子、から序之舞も位を保って舞われており、流石でした。破之舞からキリにかけては、とても楽しんで舞われている雰囲気が伝わり、羽衣に相応しい終曲。

この羽衣は、実は稽古合宿という形で、私も稽古のお手伝いをさせて頂きました。澤風会には囃子を習われている方が何名か在籍しており、本番一ヶ月前に、四拍子を揃えて要所の稽古を致しました。私は笛を担当させて頂き、序之舞等々を吹かせて頂きました。私自身勉強になるとともに、澤田先生から指摘を受けるたびに、レベルアップしていくシテの姿は励みにもなりました。この度は本番ともに年明けからの怒涛の稽古、お疲れ様でした。次の舞台も楽しみにしております😊

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