土蜘のこと

 初心者向けの曲である土蜘は、誰もが謡ったことのある曲だと思います、私も大学時代には後輩に何度も稽古をつけた思い出深い曲です。

 あらすじも構成も平易な曲で、理解に苦しむ箇所は稀ですが、わかりづらい言葉もあるので、少し解説してみます。

 典薬の頭
 医薬の事を司る役所の長官。小蝶は厚生労働省の官僚的な人物?(笑)

 ご機嫌を以って
 ご気分の良い時を見計らって。

 色を尽くして
 色々と治療の手を尽くして

 ちょうど切れば→「ちょう」と切れば
 「ちょう」はバッサリ斬る音です。小鍛治にも「ちょう」が出てきますね(ノ∀`)

 足もためず
 足をつく暇もない、「橋弁慶」にも出てきます(^^ゞ

 えたりやおう→「得たりや、おう」
 「仕留めたぞ、えい」くらいの感じでしょうか。節付も相まって分かり難いですね。

 かたがた
 共々の意。「君のご威光」と「劔の奇特」とどちらもめでたい。

 けしからず
 非常に。

 この血をたんだへ→「この血を探題へ」
 「探題ふ」は探し求めるという動詞です。詩歌の会で、いくつかの題の中から探り採った題で詠むことを探題といいます、これを動詞化したものです。

 以上、勘違いしやすかったり分かり難い表現の解説でした(^O^)/

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