仕舞百番の会

仕舞百番の会にて参加した曲の振り返り(ほぼメモ書き)。百番中七十番に参加。 七十曲中、地頭二十八番、シテ六番。
この内、六番は見本だったので、次の会では全て無本で臨めるように稽古します。会の全貌↓

高砂(地頭)
悪魔を払いの後は、意外に余る場合あり。

敦盛クセ(地頭)
 最初のヤヲの引き音はあっていたものの、周りにつられて短くなりそうになった。自信を持って謡うのが課題。コス手ポイントの型と謡のハメ合いは上手くいった。

葛城(地頭)
 〆るところは〆られた。

芦刈キリ(地頭)
 シテの位置取りに合わせて臨機応変に謡を運べたのは幸い。型が分かる仕舞は安定する。

春日龍神
 大過なし。

右近
 大過なし。シテが謡を良く聞いてくれた。


 夜も明ける件で位が変わりすぎたと感じたものの地頭に付き合った。ヤアの間で一旦落ち着いて、改めて謡い出す程度の気持ちで良いと感じた。下の句から戻す。澤田先生からも同様の講評あり。

杜若キリ
 キリの打込前は、付頭二ツなので、「すはや」のクリを扱った後はサラリと謡わないと型が余る。地頭には講評で伝えた。

小督
 地頭は、ゆらりと乗るところは大事に扱った方が良いと感じた。全体に粘らなかったのは良かった。

大江山
 上羽後は型が余るので、引き音はさらりと謡いたい。「我に馴れなれ」前のヤヲハでゆるみすぎたため、シテのムラツケが合わなかったか。「天も花に酔えりや」下の句4文字の場合の3文字目の増節はコスのが典型と地に伝えた。

加茂(地頭)
 以前、舞囃子を舞った際に、シテ謡二句目でかかると、受けて地がかかりやすいとのご指摘を頂いた。地謡の立場になり、実感。「おはしまして」の打切頭ポイントにシテの飛び返りの右足下しを合わせようとしたが(個人的な好み)、失敗。一句半くらい前からシテの動きを予見する力が必要と感じた。

小袖曽我
 1回生が相舞。私が相舞を舞った時よりも寧ろ良く合っていた。シテのスミトリの位置取りは階の右側をスミ柱のつもりで。

花月キリ(地頭)
 京大宝生会では珍しい男性地。引き音は多分合っていたはず。特徴的な型が多いので、型を見ていると謡が勝手に出てくるパターンの曲(個人的な感想)。ところが、打切までの型を良く分かっていないと反省。仕舞地でモったり、モタなかったりする場合、モツならモツで平地にモチの予兆が伝わるような謡い方があるのかも知れないと感じた。今後の課題。

鵜飼
 大過なし。「これを見かれを~」の一句目から謡を〆たのは、ユウケンで手間取るのを感じてか。ただ、少しチグハグな気がした。一句前の下の句の締まり加減との兼ね合いでそう感じたか。

班女アト(地頭)
 「逢はでぞ恋は」が一瞬出てこなかったのは申し訳ない。序盤の位取りと、ノラズに移るところはこんなものだと思う。「扇とは~」辺りからの謡は、シテのハコビと比してカカリ方が控えめだったかも知れない。

蝉丸(地頭)
 「影見れば、我ながら」はもう少しシテに付き合っても良かったかも知れない。「水も走井の」の上の句をもっとしっかり謡っておけば、下の句でハコビの軽重を選択しやすかったかと反省。

鞍馬天狗
 大過なし。地頭も良く型を理解していた。

雲林院クセ(見本)
 地の経験がほぼないので、勉強回。澤田先生が地頭だったので、玄人の息を研究できた。マワシの謡い方は、現役はしっかり見習うべき。見本だったため、型との駆け引きをあまり観察できなかったのが憾み。いづれ挑戦したい曲である。

車僧
 澤田先生が地頭。上の句をしっかり謡えば、地もある程度の主導権を握れると感じた。講評として、引き音あるステは、ステの頂点を何音目に持ってくるかで長さを調整することとのコメントを頂いた。

善知鳥
 澤田先生が地頭。シテが間に合っていない箇所があったものの、節を使って間を調整していた。節が多いので逆に調整しやすいのかも知れない(謡や舞の難易度はともかく)。ワキ座でのノリコミ拍子は強くとの講評。

是界(地頭)
 大過なし。

龍田キリ(地頭)
 「龍田の山風」以降、シテが余り気味であることは理解していたものの、序盤から運ぶと掛け合い後の地の収拾がつかなくなる(地頭の力量的に)との迷いあり、シテには申し訳ないが、やや淡々と謡ってしまった。シテが早い場合の駆け引きは要研究。

安宅(シテ)
 スミトリのあとに常座へ戻る際、正中で足をかけなかったので、間を調整するのが困難だったと反省。地謡の威勢は良かった。

天鼓(地頭)
 型を知っているので合わせられた。「月に嘯き~」は忙しいので、「呂水の堤の」から意識し始める必要あり。

山姥キリ(地頭)
 宝生流では、「山姥となれる」から決河の勢で位を変えるというよりは、じわじわと息を強くしていく謡い方が好まれる印象。観世流太鼓も金春流太鼓も「有様、見るや〃」で上ガルので、そのつもりで謡った。平地は走り気味だったが、流されずに謡えた!

葛城クセ(シテ)
 澤田先生が地頭、かなり渋く謡って頂いた。落ち着いて舞っているつもりであったが、アゲハ後の謡が思ったよりも早く感じた。シテが早すぎた可能性あり。しもとを見る型は、ワキ座の一つ手前にしもとがあるつもりで覗いたものの、曇りすぎたかも知れない。だとすると、正先からワキ座へ出るところで大きく出過ぎてしまったか。講評として、「寒風を~」で常座に戻るところは、常座奥まで戻れば、その後の型が余らないとのこと。

女郎花キリ(地頭)
 反省の多い仕舞。「行き上れば」以降、シテの型が抜けたにせよ、スミに到着した時点で骨を砕く型が来ることは分かっているのだから、謡は運ばなければならなかった。スミで大幅に文句が余ってしまったのはシテに申し訳なかった。また、「撓むまで」から平ノリに直すところまで、自分で認識している型付けに自信を持てず、半ば流れに任せて謡ってしまい、「花のひと時を」がギリギリだった。やはり型を良く知っていなければ地頭は勤まらないと反省。

海人(地頭)
 型を知らないと地頭は勤まらないと言った傍から、型を知らない曲の地頭を勤めた(謡えるメンバーがいなかったため)。澤田先生から、ゆっくり謡えば良いとの助言あり、また太鼓も付頭ばかり打ってくるところなので、本当にゆっくり謡った!雰囲気は出ていたとのことで安堵。

氷室(地頭)
 「月に行き」が正中寄りの低目だったので、大小前までの地を運んだのは英断だった。シテに大過なし。

清経クセ
 澤田先生が地頭。合宿曲だったので、現役も勉強になったのではないか。

東北キリ
 大過なし。4回生がシテだと安定感あり。

女郎花クセ
 澤田先生が地頭。シテも大過なし。

黒塚(地頭)
 動揺して「ただよひめぐる」が一瞬出てこなかったのはシテに申し訳ない。「恥かしの」は謡と型が綺麗に噛み合った。

岩船
 大過なし。一人で謡ってると次の文句が怪しいけど、舞手がいると間違えない曲の典型(主観)。

羽衣クセ
 ぼーっとして「笙笛琴箜篌」の前をヤアで謡いそうになったのが反省。

唐船(地頭)
 途中で藤キリとミックスしかけたのは反省。副地が付けてくれたので助かりました。この辺りで会の折り返し地点、謡のミスが多くなってきているのは、稽古と体力と気力の不足。


 大過なし。シテが当ヤで地に渡し損ねたところで地が詰まったか。

歌占キリ(地頭)
 上の句をたっぷり、下の句で運ぶという謡いがしやすい節付けの曲。「神は上らせ」でシメ過ぎたかと思ったけれど、講評で特に指摘されなかったので、案外こんなものかも知れない。

小鍛冶(地頭)
 習ったばかりのシテが自信なさげだったので、何が起きても対応できるように遊びを持たせて謡ったところ、思ったよりもテキパキと舞ってくれたので、むしろ地が残るシーンがあり、申し訳ない。

忠度
 澤田先生が地頭。シテも舞囃子経験者なので、完成度は高かった。

小塩キリ(見本)
 謡も型も知らない曲。

田村クセ(地頭)
 地頭ではなかったかも知れない。大江山と同じく、下の句3文字目の増節をコスところで地が合わなかった。

絃上(地頭)
 大過なし。

呉服(地頭)
 型は知らないのでシテにお任せした。

小哥(地頭)
 大過なし。

半蔀クセ(地頭)
 謡を低く出てしまったと感じ、「ただ仮臥の」で転調してしまったかも知れない。合掌は「弥勒佛とぞ」まで、もう一つサラリと謡うと良かったか。六拍子前の下の句を、気持ち丁寧に納めたものの、シテは違和感を感じたとのこと。要研究。

弓八幡
 澤田先生がシテ。「示現大菩薩」が揃ったのはベテラン地謡のレベルの高さを感じた。

八島
 澤田先生がシテ。地は大過なし。

井筒(見本)
 澤田先生がシテ。勉強回。謡も型も素晴らしい曲。いづれ挑戦したい。

鮎之段(見本)
 澤田先生がシテ。カカル謡とは何かを端的に表した小品。尉の気迫が見所を圧倒。

殺生石
 澤田先生がシテ。「草を分かって」で地が割れたか。

三輪キリ
 大過なし。

兼平
 大過なし。稽古会で盛大に地謡を間違えたので、リベンジを果たせた。

三山
 大過なし。最近「雪と散れ」と「雲となれ」を間違えなくなってきた(当社比)。

三輪クセ(シテ)
 身ヲカエたあと、正へある程度出ないと、その後に正中に戻るのに窮してしまうことを失念。その後は、スミまでの距離を計算しながら舞えた。糸繰りの型は覚えていたものの、大左右ではなく招き扇になることを失念。「山本の~」はスミへ5足。「その糸の~」のからの型は22.5°ずつ正面に向けばよい。

放下僧クセ(見本)
 澤田先生が地頭。「夕べの煙、朝がすみ」辺りは忙しいので仕舞でもツヅケに謡った方が良いとのこと。

芦刈クセ
 澤田先生が地頭。熊野クセと同じ型。


 序盤、地の引き音が怪しかったものの、シテに動揺なく、敬服。

俊成忠度キリ(地頭)
 反省の多い仕舞。「呆れて立てば」が忙しいことは理解しているのだから、たっぷり謡うべきだった。その他、動揺して一クサリ丸々飛ばしてしまうのは地頭としてはアウト。もっと謡いこむ必要あり。

巻絹キリ
 大過なし。

橋弁慶(シテ)
 柄返しが抜けたのは猛省。子方と地謡は良かった。現役も稽古して、新歓にぜひ。

邯鄲アト
 打込の節が揃わなかった。

敦盛キリ(地頭)
 シテが型を間違えても、地謡は笑わないこと。

雲林院キリ(見本)
 澤田先生がシテ。謡も型も知らないので勉強回。

鉄輪(シテ)
 最後、とても余るので、ぼんやりと運ぶべしとの講評。

難波(見本)
 澤田先生がシテ。一度覚えた仕舞地につき、無本で臨みたかったものの、稽古不足のため見本。いづれ挑戦したい曲である。

生田敦盛キリ
 澤田先生がシテ。後段は覚えにくいが、型を見ていれば意外に間違えない曲(当社調べ)。

熊野キリ(地頭)
 澤田先生がシテ。地謡の謡い出しが遅れてしまったのが反省。素謡と違って、シテ謡が一句ずれることに一瞬、対応できなかった。要復習。

籠太鼓
 大過なし。

葵上(シテ)
 地に合わせて頂いた印象。ヒラキカケはヒラキにしてしまったかも知れない。三輪でも感じたが、ヒラいた直後に右へ回って後方に移動する際に距離が短い場合(正先→正中、正中→大小前)、ヒラキカケになるのかも知れない。右へ回りの場合、ヒラキカケた右足に重心を乗せたまま、左足を捻られるのもメリットか。重心まで考察する場合、同様に距離が短い場合であっても、左へ回る場合はヒラキカケにならないのかも知れない。今後の研究課題。

付祝言
 五雲のゆかり尽きせじと
 結ぶ契りの友垣や
 謡うも舞ふも宝生の
 流れ久しき栄かな
 流れ久しき栄かな

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