令和改元を寿ぐ会

昨日、京大宝生会有志にて、令和改元を寿ぐ会を致しました。
10時に京都某所に参会し、謡い始めました。
当初、最大で四名の参加でしたが、現役部員が駆けつけて呉れたおかげで、途中抜けを含め八名で開催しました。
舞台のメモを記しておきます。

老松 10:33〜11:00
シテ:OG3年目
ワキ:4回生
ツレ:3回生
地頭:やまだ
地 :OB6年目(途中参加)
クセとキリの一部の拍子当たりが難解なので、事前に軽く地合わせをして臨みました。
クセの途中から私の同期のOBが来て呉れて、賑やかになりました。
読み間違いも少なく、意外に恙無く謡えました。
クセは散文が多いため、作者も苦戦していることが伺える曲です。「さてこそ文を好む木なりけりとて梅をば好文木とはつけられたれ、など。老松は謡い難いのですが、口が慣れて来ると、味のある節付けの面白さに気づく、といった印象です。

箙 11:23〜12:00
前シテ:4回生
後シテ:3回生
ワキ:2回生
地頭:やまだ
地 :OB15年目(途中参加)、OB6、OG3
老松が終わった後に2回生が参加して呉れました。また後場から、大OBに参加して頂き、とても清々しい箙になりました。
ロンギの「此の花よとて、が半声の間であることはうっかりしやすいポイントなので、謡本にメモっておくと良いでしょう。
クセは「生田のおのづから、「魚鱗かくよくも、など、トリの第四拍から本間の第一拍に渡るマワシがあるのも、珍しいです。春日龍神クセ「宮路も末ありや、などたまに類例を見かけます。

草紙洗 12:35〜13:50(講評含む)
シテ:OG2年目
ワキ:4回生
貫之:OG3
立衆:2回生
王 :3回生
地頭:やまだ
地 :OB15
お昼で同期が途中抜けし、入れ替わりでOGが参加して呉れました。
段物がやはり難しく、謡い終わったあとも、講評がなかなか盛り上がりました。
草紙洗は、王にフォーカスしているときはツヨ吟、小町にフォーカスしているときはヨワ吟と考えると、心持ちが分かりやすいです。西王母なども好例です。

巻絹 13:50〜14:30(講評含む)
シテ:4回生
ワキ:2回生
ツレ:3回生
地頭:OG3
地 :OB15、OG2、やまだ
3年前に京大宝生会で巻絹の能を出した際のメンバーが数名いたので、恙無く謡えました。今回の地頭は当時の能のシテです。
キリは、掛け合いが終わったあとのカカリ方が意外に難しいかもしれません。太鼓入りでは良く、太鼓の手を参考にしますが、巻絹の場合は金春と観世では手が全く違います。金春では「数々の神々、と付カシラを打つので、そこまでかからないでおいて、「九十九がみの、で上ル辺りから運んでいくという謡い方をしますが、観世ではシテ謡の中で上ゲたのを「数々の神々、と地が受けて、「かの巫に、とヒラキを打つため、金春よりもカカルと云うか盛り上げて謡っている気がします。今回の謡い会では皆、金春太鼓の緩急に慣れているので、そういう謡い方でまとまった感じでした。

(祝言)国栖キリ 14:40〜14:50
シテ:4回生
地頭:OB15
地 :OG3、OG2、3回生、2回生、やまだ
「即ち姿を〜、から祝言として謡いました。

 

やまだ
令和はじめの謡会は盛会となりました。
参加して頂いたOBOG、現役の皆様、ありがとうございます。
令和の弥栄を祈念いたします。
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